うつ病と診断がなされた場合、くすりによる治療はおこなう必要はあります。ただ、薬物療法だけの治療よりも精神療法を併用した方が、うつ病の治りも早く、再発も少ないと言われています。
ところが、うつ病になると、考えがまとまらない、自分を怠け者だと思ってしまう、自分を責めてしまう、何でも悲観的に考えてしまうなどの傾向が強くなります。この状態で、うつになった原因、自分の性格、過去の出来事を考えても、後悔や自責の念を募らせ、ますます無力感にさいなまれるだけでしょう。そこで、うつ病に向いた精神療法として、認知行動療法や対人関係療法といった短期精神療法も薦められています。
治療初期には対人関係療法的なアプローチをおこなった場合でも、うつ病の元となった問題が、パーソナリティの傾向など長く続いていることに由来することが明らかになった場合には、精神分析的精神療法が向いていることもあります。