思春期のこころの問題では、一部の病気(統合失調症、双極性障害、発達障害の一部)を除けば、くすりは治療の中心にならないことが多いです。
そのため、広い意味でのカウンセリングが中心となります。不登校などのこころの問題では、高校生の年代ですと個人のカウンセリングが中心になることも多いのですが、親御さんが子どもについての対応を専門家と相談しながら進める親ガイダンスという方法が有用な場合もあります。
院長をはじめとするスタッフの恩師で、思春期精神医学の第一人者と言われていた故皆川邦直先生が生前、長年の臨床経験をもとに、思春期の子どもを抱える親御さん向けにおこなった一連の講義をまとめた本「精神科医の思春期子育て講義」は、お役に立つ書物だと思います。思春期の子どものどのような問題に、どのように対応するとよいかなどがとてもわかりやすく解説されています。お子さんの対応について悩まれているかたや、精神科、心療内科にお子さんが通院されているかたは、ぜひ手にとってお読みいただくとよいと思います。
精神科医の思春期子育て講義(岩崎学術出版社 / 2018 / 編集)