不眠で悩んでいるかたは5人に1人とも言われています。不眠の原因はさまざまですが、うつ病などのこころの病気の初期症状として現れることも多いものです。
不眠症の治療では、その元となったストレスについてカウンセリングをおこなったり、睡眠にまつわる行動習慣を見直したりし、睡眠のくすりも併用します。
うつ病、パニック症などのこころの病気にともなう不眠では、元となる病気の治療と並行して、睡眠のくすりを用いることもあります。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、これまで不眠症によく使われてきました。これらのくすりは、効果は確かなのですが、長く服用を続けると習慣性ができてしまうという問題があります。
最近では、睡眠覚醒に関するメラトニンという物質の受容体に作動するくすりや、覚醒中枢に関するオレキシンという物質の受容体に働きかけるくすりなどが出てきました。これらのくすりは習慣性がなく安全と言われており、ベンゾジアゼピン系睡眠薬を長く服用しているかたも、主治医と相談しながら徐々にこれらのくすりに置き換えていけるとよいでしょう。